企業で働く看護師と病院で働く看護師の違い

看護師の方が企業に勤務して、持っている看護師としての能力・知識を使い仕事をする場合、これを産業看護師と言います。では病院に勤務する看護師と産業看護師との違いはどういうところにあるのでしょうか?産業看護師といっても医務室勤務、クリニカルスペシャリスト、治験コーディネーター、臨床開発モニターの4つの形態がありますが、ここでは産業看護師でも一番人気のある医務室勤務と病院勤務の違いを考えてみることにします。

 

病院勤務の看護師の仕事の基本は医療に類する業務です。問診を始めとする検温、血圧測定などを行うことにより患者さんの状態をしっかり見極め、これを元に医師が治療の方法・方針を決めていくということになります。入院されている患者さんにも同様なことを実施します。また患者さんへのケア、患者さんの様々な情報を正確に管理することも病院勤務の看護師の大切な仕事の一つです。

 

これに対し、医務室勤務という産業看護師の仕事は医療に類する業務ではなく、企業の社員の健康面をケアしサポートしていくという業務になります。つまり社員が会社で健康な状態を維持し働くことができるように身体的、あるいは精神的な面で健康管理をしていくということですね。この中には健康診断の実施、日常的な健康相談、労災関連への対応、カウンセラー業務も含まれてきます。産業看護師と病院勤務の看護師ではその勤務形態にも大きな違いがあります。病院勤務の看護師は基本的にルーティーン制です。

 

入院患者を常に抱えている病院では、患者の容体を24時間チェックすることが大切で、どんなことにもどんなときにも即対応できる体制が必要になるからです。故に夜勤があるのも病院勤務の看護師の特徴になっています。医務室勤務である産業看護師の勤務形態は、基本的に日勤であることがほとんどです。企業に勤務していますので、一般社員の労働時間に準じているわけですね。夜勤を避けることができない病院勤務の看護師との大きな違いの一つと言っていいでしょう。また、病院勤務の看護師においては重症の患者さんを診ることが必然的にあります。それゆえに医療に類する業務を行う看護師には、常に医療事故などのリスクと向き合う必要性がでてきます。

 

しかし、ある部分人の生命に関わる病院勤務の看護師ほどやりがいのある仕事は他にないかもしれませんね!産業看護師の方はどうかと言いますと、業務の中心が社員の健康管理ということになりますから、医療事故などのリスクは少ないと言えます。反面、業務に慣れないうちはその業務の多さに閉口してしまう場合も多いと聞きます。看護師の企業勤務と病院勤務の違いを簡単に述べてみましたが、比較するという部分で何か参考にして頂ければ幸いです。